佐世保市のひなた動物病院 ひなた動物病院

2017.04.15

嘔吐が続いて治らない (異物による腸閉塞)

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 嘔吐は病気として最もよく見られる症状の一つですが、その原因は様々です。
単にお腹が空いて吐くことがあったり、胃腸炎で吐くこともあります。
 今回の症例はトイプードル、7歳の女の子です。ひと月前から嘔吐が続き、ご飯を食べなくなり、5kgあった体重が3.5kgに落ちていました。
元気もなく、触診ではお腹を痛がっており、何か硬いものが触れました。
エコー検査において腸に閉塞所見が認められたため、緊急入院して手術を行いました。
エコー
手術により摘出されたのはプラスチックチューブの先端部分でした。
腸
異物
オーナーさんに確認したところ、ハンドクリームの一部だと判明しました。
術後の経過は良好で、食欲も元に戻り、良い便もしています。
 写真から分かる通り、腸の一部が変色していますが、これは異物が詰まったことで腸に送られる血液の流れが悪くなり、壊死という状態を引き起こしています。
この状態が続くと命に関わる危険性があります。
異物を食べてしまう子はよくいると思いますが、今回のように食欲がない、よく吐くといった症状が見られた際にはなるべく早く教えてください。
どの病気にも言えることですが、早期発見・早期治療がカギとなります。