佐世保市のひなた動物病院 ひなた動物病院

2017.05.15

食欲がなく、なんだかグッタリ (子宮蓄膿症)

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 当院では赤ちゃんを希望されない女の子のワンちゃんに避妊手術をお勧めしています。
その理由の一つとして「子宮蓄膿症」という病気にかかるリスクがあるためです。
子宮蓄膿症というのは生理後の卵巣ホルモンにより子宮が肥厚し、子宮内の排液がうまく行われなくなります。
そして大腸菌などの菌に感染し、膿が蓄積してしまう、という命に関わる病気です。
 今回の症例は11歳のミニチュアダックスフントで、食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢を主訴に来院されました。
エコー検査により子宮に液体貯留が確認されたため、緊急手術をしました。
摘出した子宮には膿が溜まっていました。
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術後は快方に向かい、食欲も戻って退院しました。
 この病気の怖いところは、はっきりとした特有の症状があまり見られない事です。
陰部からの排膿が見られた際には子宮蓄膿症を疑いますが、その他の症状だけでは私たちでも区別は困難です。
そのため、生理から1~2ヶ月くらいで状態があまり良くないという事があればすぐに教えてください。
また、皆さんにもう一つ伝えておかなければならない事は、ワンちゃんには閉経というものがないのです。
なのでこの病気は何歳になっても起こるかもしれません。
そういった理由から年を重ねる前の避妊手術をお勧めしていますので、ご希望の方や気になる方はお気軽にご連絡下さい。

清瀬