2017.06.16
ダニに噛まれてから元気がない?(バベシア症)

みなさん、ノミ・ダニの予防はしていますか?
「ノミダニがついてからでいいや」とか「かゆくなるくらいでしょ?」と考えがちですよね?
しかし、私たちが予防を勧めるのは他にも理由があります。
その内の一つに「バベシア症」です。
バベシアはダニの吸血によって感染する赤血球に寄生する小さな寄生虫の一種です。
それにより赤血球が壊されて貧血を引き起こし、元気消失・食欲不振となる病気です。
今回の症例は、ピットブル、1歳の男の子です。
1週間前にダニに数箇所噛まれ、1日前から元気・食欲がなくなったということで来院されました。
来院されたときはあれだけ元気だった子が元気もなく、ひどい貧血状態でした。
血液塗沫で赤血球中にバベシアを確認できたため、駆虫薬による治療を始めました。
一般的には駆虫薬に反応が良い病気ですがこの子は何度も再発し、治療期間も大変長いものとなりました。
ですがご家族とワンちゃんはあきらめることなくしっかり治療に参加してくださいました。
ご家族の努力とのかいあって今では元気に走り回っています。
赤血球に寄生するバベシアはもしかしたら命に関わるものになるかもしれません。また一度感染すると将来免疫力が低下したときに再発することだって考えなければなりません。
ちょっとしたノミ・ダニの予防でそれが防げるのであればとってもいいと思いませんか?
お薬はつけ薬や飲み薬と、種類がいくつかあるので、気になること、分からないことがあればいつでもお声かけください。